【有機トリチウムは恐ろしい物質】
「チェルノブイリとフクシマは核汚染された町」のレッテルが付くと言う
「IAEA(国際原子力機関)・グロッシ事務局長の来日は集金回収のためにしか思えない」と言うと語弊があるのだろうか。彼は日本国民が大好きだ。いつでも日本は彼をウェルカムしてくれるからだ。不思議な国だと見えているに違いない。その証拠に日本の後に訪問した韓国では想像以上の厳しい出迎えがあり、面食らっていると言う。
汚染水放水派は、グロッシ事務局長の来日を首を長くして待ち続けた。彼のお墨付きの言葉を待っていた。彼のゴーサインが出た瞬間に経済産業省はHPに「包括的な評価に基づき、IAEAは、東電が現在計画しているALPS処理水の海洋放出が人及び環境に与える放射線の影響は無視できるものと結論付けた」と書く。この文章の中に経済産業省の逃げが見える。「東電が現在計画している」のフレーズだ。現在の東電には汚染水放水を判断する権限は与えられていない。東電の経営判断は全て政府であり経済産業省が担っている。経済産業省が第三者的なコメントにした理由はただ一つ、トラブル案件と距離を置きたいからだ。何故、逃げるのか?経済産業省が言うALPS処理水放水が安心安全だとは彼等も見ていないからに違いない。その証拠に、東電はALPS処理水の中には、浄化設備で取り除く事が出来ない「トリチウム」という放射性物質がありますとHPに明記している。だからこそ、2021年から「多核種除去設備等で浄化処理した水からトリチウムを分離する技術」を募集しているのだ。弊社には経済産業省幹部からも放水を危惧する声が届いている。
2020年6月の岩倉政城・尚絅学院大学名誉教授の論文を短く説明すると、原子力発電施設から一般に排出されるのは無機のトリチウムで、近海魚介類にトリチウムの高濃度蓄積は無いとされている。しかし、福島第一原子力発電所の汚染水は海水や地下水、事故で飛散した発電施設部材等の多様な成分が含んだタンク内に長期間保管されており、無機物の有機化や微生物の生育は避けられず、現に検出している。東京電力小委員会で、東電の委員は「無機だから濃縮は無い」「生体内半減期も短い」と発言しているが、汚染処理水タンク中には海洋中で通常生成される有機結合型トリチウム含量の平均100万倍のトリチウムを含む有機結合型トリチウムが生成されていることが明らかになった。今後、海洋放出するトリチウムは無機だから、生体内半減期も短いからの論理は通用しない。海洋放出はタンク内で生成された高濃度有機結合型トリチウムによる魚介類凝縮汚染がもたらされる事を国民と漁業者に隠してはならない」とある。
岩倉名誉教授は、東電が行った処理水の分析表の中から驚くべきデータを発見したと書く。それは有機炭素の生成と硫酸還元菌が生育している事実だと言う。
また、2023年6月に東京理科大学の安藤静利教授の論文「汚染水からトリチウムを除去する添加剤と電化処理の効果」が学術誌『Heliyon』に掲載され、放射能汚染水の項目でNO.1の反響を得ている。世界中がフクシマ汚染水の放出に興味津々である事が分かる。この論文を読むと安藤教授の研究した除去方法は米国と日本の特許を取っている。経済産業省のキャリアはこの手法は世界中でニーズが有るだろうと言う。経済産業省も放水を強行するのであれば、国民の安心安全のため、近隣諸国への模範を示すためにも採用を検討すべきだ。香港の新聞記事「原発処理水放水なら福島の水産物禁輸」を見ると日本は、福島はこれで良いのかと危惧する。
同様に、今回グロッシ事務局長が来日し、コメントを出した直後から、弊誌編集部の元には50通を超える海外メディアや研究者、大学教授から質問のメールが届いた。パリ大学の教授は「グロッシ事務局長の訪日や訪韓はパフォーマンスだ」ドイツの大学教授は「日本で言うトリチウムは有機結合型トリチウムを意味するのか?又は無機トリチウムを意味するのか?適切な言葉が使われていない」「有機結合型トリチウムと無機トリチウムの違いを国民は認識しているのか?」「漁業関係者の生の声を取材して欲しい」など様々だ。
最後に国益の話。昔、雑誌『選択』で政府要人のオフレコ話を記事掲載し、メディア界で物議を買った事があった。オフレコ話を書く事への是非論は編集部内にあったが、『選択』は「彼の話は国益に沿わない話だ」と考え掲載した。当時、自民党幹事長であった野中広務氏は「日本の政治家は楽なもんだ。書くなと言えばマスコミは書かない」と『選択』が書いた事を評価してくれた。
現世界から評価を受ける鮨や日本の食文化を始め幅広い分野で悪影響を受ける。
現状のままでの汚染水放水は世界から信頼を失う行為だ。国益沿わないと確信する。経済産業省キャリアのメンツは充分に理解出来るが、国益が最優先される日本であって欲しい。
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