アスリート支える最先端医科学拠点
187 帝京大学スポーツ医科学センター(東京都八王子市)
東京五輪・パラリンピックの来年開催を前に、スポーツ医科学が注目される中、帝京大学は昨年10月、スポーツ医科学センター棟をオープンした。センター自体は2011年に設立され、運動部に所属する選手を主対象に、スポーツ傷害の予防・治療やアスリートのパフォーマンス向上を進めてきた。さらに機能を強化するため、大学のスポーツ医科学専用単体建物としては国内初の施設として新築した。地上5階建てで、延べ床面積は約9000m²である。
センターでは、スポーツ傷害やアスリートに関する疾患の治療・研究を進める「メディカル」、競技復帰やパフォーマンスの向上に向けた取り組みを競技現場でアスリートとともに実践する「フィジカル」、バイオメカニクスや運動生理学に沿って測定・研究を行う「サイエンス」、情報処理技術を活用し、より効率的な選手サポートを実現する「テクノロジー」の4分野で専門スタッフがチームを作り、連携しながらアスリートをサポートしている。
設計段階から関わっている加藤講師(アスレティックトレーナー)は「センター内の医師、トレーナー、栄養士など全スタッフが集まり、意思統一や有機的な連携ができる環境にあるのが当センターの強み」と言う。
センターはTASK(Teikyo Athlete Support Knowledge)というサービスブランドを開発した。3つの「TASKエントリーサービス」と2つの「TASKサポートプログラム」である。前者は、スポーツ傷害を診療する「スポーツ医科学クリニック」、アスレティックトレーナーとフィジカルコーチが競技復帰とパフォーマンス向上に必要な取り組みを一括・一貫して支援する「TASKパフォーマンス」、テクノロジーを活用してエビデンスに基づく傷害復帰指標で動きの安全を評価する「MPI」から成る。後者は、アスリートへのカウンセリングを踏まえ、「多分野サポート」「単一分野サポート」のいずれかで対応する。
スポーツ医科学クリニックでは単純X線やMRIなどの画像診断機器の他、各診察室に超音波診断機器を配備。また、近年、スポーツ傷害の急性期治療において有効性が注目されている高気圧酸素治療装置(最大8人同時に利用が可能)も導入している。今後は学外にもサポート提供や情報発信できる体制を整え、日本のスポーツ医科学の実践・研究の最先進拠点を目指していく。
帝京大学スポーツ医科学センター
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