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未来の会

倉敷スイートタウン(岡山県倉敷市)

倉敷スイートタウン(岡山県倉敷市)
介護医療院のモデルとなる複合施設
176 倉敷イーストタウン(岡山県倉敷市)

JR山陽本線中庄駅近くに建つ倉敷スイートタウン。医療法人和香会が2012年、リウマチで知られた倉敷広済病院の老朽化に伴い、移転・新築した。病院とサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を併設した複合施設で、中にはコンビニやカフェから、本格的なフレンチレストランやビューティーサロン、多目的ホールまで入っている。常日頃から人が集う「タウン」に住み、必要な時に医療と介護のサービスを受けられるのだ。

 名称の「スイート」とは、「温かい」「情がある」「思いやりがある」の意。「心温まる思いやり溢れるコミュニティタウン」を目指し、地域包括ケアの本質である地域づくり、街づくりをコンセプトにしている。

 1〜3階には、全室個室ユニット型の在宅療養支援病院196床(うち地域包括ケア病棟48床)の「倉敷スイートホスピタル」(21診療科)、4〜5階にはサ高住130戸(うち特定施設入居者生活介護50戸)の「倉敷スイートレジデンス」が入る。

 江澤和彦理事長はこの20年間、「過去の生活にないことをどこまで現場で排除できるか」をテーマに医療や介護に取り組んできた。例えば、機械浴ではなく、ヒノキの個浴を採用。また、「医療は生活を支えるためにある」と、患者・入居者の目線に立ち、「尊厳の保障」をライフワークにしている。

 倉敷スイートタウンの設計企画、外装・内装デザイン、照明の選択や福祉用具の開発も自ら行った。自ら考案した車いす対応の自立支援型トイレを全個室に備え、両扉付き介助用トイレも各所に設置している。また、美容師が恐れて拒みがちな人工呼吸器装着患者へのヘアカットも病室に出張して行っている。

 倉敷スイートレジデンスにはカラオケ・シアタールーム、展望風呂を備えている。近隣駅やショッピングセンターへ行く無料シャトル便を運行、地域交流に役立て、地域からの「見える化」も図っている。また、居室での看取りも行っており、入居者が亡くなった後、職員が故人を偲ぶアルバムを想いを込めて作成、遺族に寄贈している。

 住まいと生活を医療が支える介護医療院が4月に創設され、江澤理事長は発足したばかりの日本介護医療院協会の会長を務める。同協会は今後、介護医療院のあるべき姿を追求していくが、倉敷スイートタウンが一つのモデルケースとなることは間違いないだろう。

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