引きこもり中高年の半数超が「女性」は本当か
内閣府が3月末に公表した「引きこもり」に関する調査で、中高年(40〜64歳)の引きこもりの半数超を女性が占めていた事が、驚きを持って受け止められた。これ迄対策があまり取られて来なかった引きこもりの中高年女性への支援が進むと期待の声が有る一方で、「引きこもり」の定義に疑問の声も上がる。
部屋に閉じこもって出て来ず、生活は夜型。不登校の末に就業もせず、家族が注意をすると暴力的になる——。「引きこもり」と聞いて、そんなイメージを持つ人は少なくないのではないか。ところが、そんなイメージはすっかり過去のものとなった様だ。「従来の国の統計は主婦(主夫)や家事手伝いは引きこもりから除外していた。しかし、家事手伝いという名で社会から隔絶されている女性が多いとの声が有り、前回調査から、半年間に家族以外との会話が殆ど無かった場合は引きこもりに含む様になったのです」(社会部記者)
統計では「ふだんどのくらい外出しますか」という設問に、①自室からほとんど出ない、②自室からは出るが家からは出ない、③近所のコンビニなどには出かける、④趣味の用事のときだけ外出する、のいずれかに当てはまり、その状態となって6カ月以上経っている人が「引きこもり」と定義された。ただ、これだけだと「専業主婦で、趣味以外で外出しない」女性も引きこもりという事になる。
「家にこもって外に出ない、社会的な繋がりが薄いとしても、本人が生活に満足していれば特段、支援は必要無い。問題なのは、ドメスティック・バイオレンス(DV) 等の被害に遭ったり、働きに出るもいじめやパワハラに遭ったりして社会に出る事が怖くなっている人に、適切な介入が出来るかどうかだ」と自治体関係者は語る。
引きこもりは男性が中心というイメージや、自治体の担当者に女性が少ないという課題を解決するには、引きこもりの過半数が女性というデータは意味が有る。一方で、社会的な交流が少ない人を一律に「引きこもり」としてしまうのも少々乱暴な気がするが……。
SNSで訴えた神戸大病院の「パワハラ」事件
「毎週、開催される部課長会で顔を合わせるもお互い無視の状態。顔を見るのも苦痛でした。その後、8月15日消印で保護シール無しで再び葉書が届く。私の部下もその葉書を見る結果になった」
そんな説明文と共に、葉書の写真が添えられたツイートが話題となっている。葉書の文面は、「窓際族・月給泥棒の●●君、君がいなくても何も困らないんだから早く退職しましょう。貴方の顔を見たくない人がたくさんいるのに気付かれませんか?」。当然、差出人欄に記入は無く、宛先は「神戸大学医学部附属病院医療支援課課長」。名前こそ消す処理がしてあるが、勤務先、それも国立大学病院の名前を明かしての告発は相当、勇気が要っただろう。
「告発したのは神戸大病院の事務職の男性で、定年後再雇用で課長職を務めていたが、職場の人間関係等によるストレスにより、休職と復帰を繰り返していた。そこへ、ツイッターで暴露した通りの葉書が計3回、職場に送られて来たそうです」(社会部記者)
これにより男性はパニック障害と鬱病を発症し、現在も休職中。「絶対に許せない」として、警察に被害届を出し、弁護士にも相談しているという。
「パワハラ休職中の主夫、というツイッターのユーザー名もさる事ながら、ショッキングな文面の葉書の写真を3枚晒したインパクトは大きく、ツイートは広く拡散されました。とは言え犯人が誰なのか分からない状態で、誰のどんなパワハラを立証すれば良いか等、民事で戦うには難しい事情も有りそうです。メディアも、先ずは警察の捜査を待っている状況です」(同)
ツイートには似た様な状況と闘う人からの応援のリプライも付いている。SNS発の告発の「成功例」となるか、多くの人達が注目している。
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