常識は高く遥か……に飛んだ日本外科学会懇親会
新型コロナの感染症法上の扱いが「5類」となる直前の4月27〜29日に行われた日本外科学会定期学術集会の懇親会がSNSで炎上し、学会が火消しに追われる騒ぎになった。
問題となったのは、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪「飛天」で28日夕方に行われた「全員懇親会」。
「事前告知では『肉三昧、寿司祭り!』となっていて、立食で食事が出る事、東京スカパラダイスオーケストラやフジテレビの永島優美アナウンサーが司会を務める事等が発表されていた。私が所属する学会はようやくリアル開催を復活させたばかりで懇親会はやっていないので、さすがは外科学会、派手にぶち上げたなと思いました」(他科の大学病院勤務医)。SNSで出回っている画像にも、同様の案内が書かれている。
「炎上したのは、複数の懇親会参加者がツイッターに動画や写真を上げた為。2000人以上が入れるあの飛天にノーマスクの医師達が集まり、声を上げて会場を盛り上げたり、会頭を務めた大木隆生医師を胴上げしたりする様子が流れてしまった」(前出の医師)。これには大きな批判が寄せられ、学会は投稿を削除するよう呼び掛けた様だが、上がった動画や画像が次々に削除された事で、更に炎上が拡大してしまった。
この騒ぎには、複数の医師が「あの大木先生ですからね」と苦笑する。会頭を務めた大木氏は東京慈恵会医科大学の外科学講座の統括責任者で、人工血管「ステントグラフト」治療の第一人者として知られる。一方で、ハラスメントや問題行動で度々週刊誌に取り上げられてもいる。「ゴルフ好きで、著名人との交流でも有名。コロナ禍でも自身の冠を付けた『大木杯』なる医局恒例のゴルフコンペを年2回行い、それがSNSに上がって顰蹙を買った事もある」と証言するのは全国紙記者。「患者の手術中に、手術室でゴルフクラブを振り回し、シャーカステンというディスプレイ機器を割ったのは有名な話。これはさすがに大学から処分を受けた筈です」(同)
コロナ下での行動制限に反対し、集団免疫を獲得する事が大事と述べ、同大病院から「本学外科学講座教授大木隆生氏がメディアなどを通して発信している内容は個人的見解であり本学の総意ではありません」等とコメントを出された事も。
今回の学術総会のテーマは「より高く、より遥かへ」だったが、確かに常識が高く遥かにぶっ飛んだ懇親会であった。
ドクターメールに情報寄せた医師に称賛の声
国民生活センターが、「花粉症に効く」等として売られていた健康茶に医薬品成分であるステロイドが含まれていたとして注意喚起を呼び掛けた。表示も無く、勝手に医薬品成分を入れるのは言語道断だが、それが発覚した経緯が凄い。
「同センターが設置している医師からの事故情報受付窓口、通称ドクターメール箱に医師から相談が寄せられたのです」(全国紙記者)。センターによると、病気治療の為通院中の13歳の女性患者の血液検査で、副腎皮質ホルモンの検査値が低い事を訝しんだ医師が患者に聞いたところ、テレビでタレントが絶賛していた花粉症に効くお茶を購入していた事が分かった。お茶を飲むのをやめてもらうと数値が改善した為、医師はお茶にステロイドが含有している可能性があると通報して来たのだという。
センターが同製品を購入して調べると、やはりステロイド成分が検出された。日頃の検査数値の変化から含有成分に疑問を持つ極めて優秀な医師の行為に、同じ医師からも称賛の声が寄せられている。
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