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良医に欠かせぬ自覚と覚悟を育み 熱意を持って受験生を合格へ導く 株式会社富士学院 学院長

良医に欠かせぬ自覚と覚悟を育み 熱意を持って受験生を合格へ導く 株式会社富士学院 学院長
坂本 友寛(さかもと・ともひろ)1961年大分県生まれ。直営校のみで展開する医学部予備校を経営。学習指導のみに留まらず、「教え育む」という教育本来の姿を追求する事で、生徒に自覚を促し、自立に導く指導を実践。開校28年で、これ迄に3047名の医学部合格者を輩出。
——坂本学院長は2代目になるんですね。

坂本 富士学院は1995年2月に福岡で開校し、今年の2月で29年目を迎えます。私が前学院長から引き継いだのが2006年、17年前です。当時は福岡の1校だけで、生徒も浪人生、現役生で60人程度の中規模の医学部予備校でした。私はそれ迄は事業家として幾つかの会社を経営して来ました。学院長に就任するに当たり、教育者として学校を経営して行くという自覚と覚悟を持って、成績至上主義、ビジネス志向に走りがちな予備校業界を変えるという目標を掲げました。就任後から東京や大阪、名古屋等に開校し、22年6月には横浜校が出来て現在は全国で10校舎です。

——どの様な理念や方針を掲げていますか。

坂本 教育の原点は教え育む事です。勿論医学部合格に導く事が最重要ですが、生徒1人1人を人間的にも成長させ、将来の良医、名医を育てて行く事が指導理念です。経営方針は利益至上主義に陥らない。兎に角生徒に力を付ける、人間的な成長に導いて行く事が一番で、利益は後から付いて来ると思っています。どこの予備校でも、春に合格体験記を書いてもらうと思うのですが、富士学院は保護者も積極的に体験記を書いて下さる。昨年は80人近い保護者の方が書いて下さり、内容も年々深くなっている。合格以上のものを得られた、成績以上に人間的な成長が見られたという事を喜んで下さっているのだと思います。

——全国展開で苦労した点を教えて下さい。

坂本 理念の共有です。2校目の校舎を岡山市に作った時は、かなりの反対を受けました。講師の先生方、特にベテランから「兎に角規模を広げるのは止めて下さい」と。何故なら校舎を増やして成功した医学部予備校は無い。確かに多くの医学部予備校は、学校の代表者の手腕でレベルを保っています。校舎を増やして、代表の目が届かなくなると、どうしても校舎としてのレベルや水準が下がってしまう。でも、私は理念が共有出来て、同じ思いを持って仕事をする人を増やして行けば出来る筈だと思いました。今、全国に10校舎在りますが、校舎を運営するに当たり校舎長を中心に職員や講師が同じ理念の下、目標を共有して生徒に接する事が欠かせません。それが一番難しい点で、苦労する点です。

——直営校のメリットを教えて下さい。

坂本 受験期間中は、全国の直営校が校舎の枠を超え連携し、しっかりと生徒をサポートします。受験地の校舎でも、自習や講師への質問、面接指導まで対応をしています。実は、全国展開している予備校でも、フランチャイズ制でオーナーが異なると連携し難い事も多いのです。直前まで普段と同じ様に勉強が出来る環境は、受験生にとって心強いと思います。

少子化時代に生き残るのは良質な医学部予備校

——今後の少子化を考えると、予備校経営も大変でしょう。

坂本 予備校にとって少子化への対応は死活問題です。ただ、私は逆にチャンスだと思っています。受験生が少なくなれば競争が生まれ、良くない予備校は淘汰されて、質の良い予備校だけが生き残れる。それは受験生にとって良い事で、私達は当然選ばれる自信が有ります。医学部予備校は1人当たりの授業料が高いので、1人の生徒の増減が経営に響きます。その為、中には生徒を獲得するのに手段を選ばない予備校も出て来ます。合格実績の水増しとか、広告と実際の内容が違うとか。開業医は承継問題で、どうしても子供に後を継がせたいという人も居る。そうした弱みに付け込むんですね。最近はかなり減って来ましたが、無くなった訳ではありません。

——質を高める為に何を重視していますか。

坂本 講師や職員の採用です。講師だけでなく、教務職員を含めて最終面接は、私自身が全国各地に出向いて行います。生徒1人1人を全員で支えて、押し上げて行かなければならないので、やはり職員全員が富士学院の理念を理解して、同じ思いを持ってもらわないと歪が出てしまう。職員採用は大切にしています。

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