インフル今冬も流行せず……ワクチンよりマスク
厚生労働省は3月18日、秋になると毎週公表している「インフルエンザの発生状況について」のリリースをこの週で終わりにすると発表した。「例年は4月頃まで発表している調査。だが、今シーズンもインフルは流行しなかったので、3月中旬で終わりとなった」(担当記者)。
因みに最終発表のリリースを見てみると、東京等10都県で、僅かに患者が確認された以外に発生は無し。インフル流行による学級閉鎖は、シーズンを通しても1校のみ確認されるに止まった。
「インフルは全数報告では無いので、調査対象となっている全国の約5000の医療機関からの1週間の報告数が『1医療機関当たり1人』を超えると、流行に入ったと判断される。ピークは年によっても違うが、近年最も流行した2018年は、1週間で50人を上回った」(同記者)。この年はピークの1週間に全国の医療機関を受診した患者が約283万人と推計される大流行だったが、新型コロナウイルスの世界的流行は、感染症の勢力図を一変させた。
新型コロナが日本で初確認されたのは20年1月。このシーズンのインフルは大流行迄は行かずとも流行したが、翌年からは2年連続で、流行どころか患者もほぼ出ない状態が続いた。「昨シーズンはインフルが流行しなかったので免疫が無く、今シーズンは流行る可能性が有ると思いワクチンを打ったんですが、職場でも子供の学校でも患者が出なかった」と苦笑いするのは、都内の30代の医療関係者だ。
新型コロナ流行初期は、人と人との接触を避ける厳戒態勢が取られたが、今冬は第6波と重なったものの人々の行動抑制はあまり見られなかった。それでも、コロナは増えてもインフルは増えず、感染症に詳しい医師は「インフルの流行を防ぐには、ワクチンよりマスク生活の方が効果が高い事が証明された」と話している。
「炎上」に懲りない産婦人科医会
昨年末、経口中絶薬を巡り、「従来行われている中絶手術と同等の10万円程度が望ましいとの考えを示した」と報じられた事から大炎上した日本産婦人科医会だが、「緊急避妊薬(アフターピル)」を巡っても変わらぬ〝時代錯誤〟ぶりで、またもや女性達の怒りを買っている。
薬局やドラッグストアで処方箋無しの販売を認める「OTC化」が厚労省で検討されている緊急避妊薬。3月10日に行われた検討会では、医会の種部恭子参考人が「OTC化に懸念する問題は無いと回答した産婦人科医は7・3%、88・1%は何らかの懸念について選択肢を選んでいる」と、産科婦人医の多くが反対しているかの様に説明した。
だが、この数字が出て来たアンケートは、「OTC化により懸念されると思うことを下記よりいくつでも選んでください」という設問であり、選択肢には、薬の転売や性暴力への悪用等の他、医業収益への影響も含まれていた。懸念される点は有るとしても、同アンケートでは「OTC化に賛成」の産婦人科医が過半数だったにも拘わらず、その部分は資料に入っていなかったのである。
そこを出席者から突っ込まれると、医会は「賛成するか反対するかということではなく、これ(OTC化)は産婦人科医が決めることではありませんので、会の中で考えていただくべき話」と逃げつつ、「産婦人科医が訴えている懸念事項については、解決していただく必要がある」とちゃっかり要望までした。女性の知る権利や受診する権利も軽く扱い、どこ迄も女性達に寄り添えない医会の姿勢に、産婦人科医の遠見才希子氏は「国際的推奨やエビデンスに基づくOTC化に向けた議論ではなく絶望深まる〝性教育検討会〟であった」とツイッターで吐き捨てた。
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