206 湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県藤沢市)
最先端機器とJCI認証で地域医療を担う
JR辻堂駅北口に新しい街が広がる。辻堂駅周辺地域都市再生事業で誕生した地域だ。JR茅ヶ崎駅前にあった茅ヶ崎徳洲会総合病院が2012年に移転、湘南藤沢徳洲会病院として生まれ変わった。
ロビーではコンサートも開催。地域住民の作品を展示するギャラリーも設けたり各所に絵画を展示したりしている(パンデミック時は中止)。
新型コロナウイルスの感染対策として今年3月、発熱外来を開設、PCR検査を実施している。その後、プレハブの発熱外来棟を新設。9月から運用を始め、最大1日約70人を診た。
同病院の特徴は最先端医療機器を活用した手術を行っている事だ。例えば、背骨が曲がる脊柱側彎症の手術。04年に脊柱側彎症センターを発足、手術件数は今年6月、1000件を超えた(脊椎全体では4500件近い)。19年には世界初の手術システム「ARTIS pheno(アーティス・フィノ)」を導入。ボルトを背骨の中に挿入する難易度の高い手術だが、ナビゲーションを受けながら手術を行う事で、ボルトの位置、方向、長さをミリ単位で正確に特定、従来の方法に比べはるかに高い精度で安全に設置出来る。
18年には手術支援ロボットの新型、「ダ・ヴィンチXi」を導入。従来、泌尿器領域での活用が中心だったが、施設認定を受け、婦人科疾患でもロボット支援手術の保険診療が可能になった。開腹手術に比べると創口が小さく、出血や痛みも少なくて済み、術後の排尿障害や性機能等機能温存に優れており、女性患者にとっても有難い手術だ。
Novalis(ノバリス)Txに加え、高精度放射線治療装置「Versa(バーサ)HD」も19年に導入した。高線量で高速の照射が可能で、照射の時間や回数を減らす事が出来る。体幹部の腫瘍は呼吸に伴って移動するため、従来は息を止めたり腹部を圧迫して呼吸性移動を低減したりしていたが、同装置は呼吸同期システムが備わっており、呼吸のタイミングに合わせて照射出来る。
同病院は16年に米国の国際医療機能評価機関(JCI)の初回認証を取得。19年8月には更新審査を受審。2回目の認証を受けた。「患者安全」と「医療の質」の向上を目指している。
湘南藤沢徳洲会病院
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