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未確認情報 政府が推進の創薬力強化、山っ気有る資金が支え!?

未確認情報 政府が推進の創薬力強化、山っ気有る資金が支え!?
政府が推進の創薬力強化、山っ気有る資金が支え!?

画期的な新薬が海外に輸出されるともなれば国益にも繋がるが、創薬には莫大な金額を要する為に開発資金をどうするかが課題になる。体力の有る大手製薬メーカーはまだしも、創薬ベンチャーであれば尚の事。日本政府は創薬力強化に取り組みを始めたが、その元手をどうするのか疑問が生じるところだ。

7月30日に首相官邸で開かれた創薬エコシステムサミットで岸田文雄・首相は「日本を世界の人々に貢献出来る創薬の地とし、国内外から優れた人材や資金を集結させる」と、掛け声が勇ましかった。具体的なビジョンとして、創薬スタートアップへの民間投資額を4年後の2028年には2倍にし、企業価値100億円以上の創薬スタートアップを10社以上輩出するとしているが、そもそもそこで必要な巨額の資金をどの様に集めさせるつもりなのだろう?

創薬の主戦場とされる米国に比べて、日本はスタートアップ企業に対する支援体制が劣ると強調される。エンジェル投資家が育つ環境とは言い難い一方で、大口の機関投資家は無配株には投資しない等と不安定な新興企業への投資は後ろ向きであり、そもそも海のモノとも山のモノとも分からない企業に運用資金を投じる事は無い。上場済みの創薬ベンチャーの大半が、何年も赤字を計上する等配当どころではない現状から、一部の例外を除いて大口の資金は望み難い状況だ。

だが、それでもこれらの創薬ベンチャーは、市場から退場する事なく、株価も一定水準をキープする例が多い。その理由について、上場している或る創薬ベンチャーのトップは、「日本では米国等に比べて、山っ気を出したくなる銘柄に個人投資家がバイアスを掛けて来る」「つまり、我々創薬にお金を呼び込めるかどうかは彼らの懐事情次第」と話す。

個人投資家の資金が株式を始めリスク資産に手を伸ばすのは、投下する資金が回転している状態の時だが、折しも、金融引き締めの可能性や日経平均の歴史的な暴落と、環境変化で株式市場は不透明感を強めている。政府が創薬の原資で個人資産をアテにしているかどうか分からないが、市場環境が悪化する中、思惑通り資金を集める事が出来るか──政府の立派な構想は金融市場の環境に左右される側面も有る事を忘れない方がいいだろう。

大株主にオアシス登場で小林製薬は波乱含みに!

紅麹サプリの問題で小林製薬は先行き、民事上の損害賠償請求、刑事上の業務上過失致傷等で裁かれる可能性が有り、相当なダメージを受ける可能性が高い。そうした中、企業として存続して行く上で、これ迄盤石だった経営体制そのものが崩壊するといった声も聞かれ始めた。

7月23日、同社は臨時取締役会で、小林一雅・会長と小林章浩・社長が辞任する人事を決定し、山根聡・専務が後任の社長に就任、創業家以外では初めての社長交代となる。だが、創業家が退いただけで幕引きにならないというのが専らの見方。最近の例では、数々の不祥事に揺れたビッグモーターが、創業家や従来の経営陣を含まない人材によって再出発したが、小林製薬も同じ様なコースを歩むと見る市場関係者は多い。ところが、「誰が見ても世の中を舐めているとしか思えない」──会長を引責辞任し、特別顧問に就任した小林一雅・前会長に小林製薬が報酬として月額200万円を支払う事に対して、或る証券市場関係者は唖然とする。同社は年明け、問題発覚後初めての株主総会を予定しているが、これでは突っ込みどころ満載。経営体制の刷新と共に、カネの流れで総会が荒れるのは必至だろう。

折しも7月には「モノ言う株主」として知られる香港のオアシスマネジメント・カンパニーが財務省に大量保有報告書を提出、突如大株主として登場した。オアシスと言えば、通常の公開情報から追及するアクティビストと異なり、まるで探偵の様に攻撃する材料を探すのが特徴だ。小林雅一氏のスキャンダルを探っているとも見られており、会社側でも戦々恐々としているとの見方も有る。現時点ではオアシスが株式を購入した目的は定かではないものの、その存在が今後の波乱の芽となるのは間違いない。

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