震える程怖い漫画がバズり……震える赤穂市民病院
今、インターネットで“大ヒット〟している医療漫画が在る。
「ハテナブログ等で無料で読める『脳外科医 竹田くん』 です。知り合いの外科医から情報が回って来たのですが、脳外科が専門でない私ですら、読みながら震えました」(都内の麻酔科医)
医療関係者だけでなく一般市民迄をも震え上がらせるその驚きの内容はというと、「主人公は架空の赤池市の市民病院に赴任して来た脳外科医の竹田くん。恐ろしく腕が悪いのに手術が大好き、そして恐ろしくプライドが高い。漫画ではこの竹田くんが執刀した数々の手術の失敗と、それを容認して来た上司らの姿勢を諷刺的に描いています」(全国紙記者)。だが、本当に恐ろしいのは、この漫画が実際に起きた事故を基にしていると指摘されている点だ。
「兵庫県の赤穂市民病院の脳神経外科で2019年から発生した11件の医療過誤の内容や順番と酷似しています。登場人物も実際の関係者を想起させ、作者は不明だが、関係者に近い人物だろうと噂されています」(同)
漫画がバズった事で、赤穂市民病院の医療事故も又全国に知れ渡る事となった。5月の会見で、記者からこの漫画を知っているか問われた赤穂市の牟礼正稔・市長は「漫画の存在は承知しているが、私がコメントするのはいかがなものか。回答は控えたい」と回答。「同病院では3月、当時の病院の対応等を検証するガバナンス委員会の報告書が出たばかり。病院にも市役所にも問い合わせや苦情が相次いでいると聞きます」と関西地方の医師は明かす。
尚、竹田くんの〝モデル〟となった医師は既に同病院に居ないが、大阪市の医療機関に勤務しているとの情報もネットで流れ、当該の医療機関はネットからその医師の顔写真を消したとも囁かれる。「ネットでは、医師の名前や勤務先を特定しようとする動きが盛んです」(全国紙記者)
正に関係者一同が震える事態となっている訳だが、最も怒りに震えているのは被害を受けた患者と家族だろう。〝大ヒット〟を次の医療過誤を無くす動きに繋げたい。
信用ならない「マイナ保険証」に決起した医師達
国が強力に推し進める健康保険証とマイナンバーカードを一体化させた、所謂「マイナ保険証」 を巡り、患者が健康保険に入っている事を確認する「オンライン資格確認システム」の導入を国が医療機関に義務付けたのは違法として、東京保険医協会の医師と歯科医師らが2月、東京地裁に無効を求める訴訟を起こした。その後、他人の保険証が紐付いていた等、マイナ保険証を巡るトラブルが次々と発覚。拙速な政府の対応を批判した医師らの〝援護射撃〟となっている。
訴状等によると、原告の医師らは、健康保険法が厚生労働省令に委任しているのは「療養の給付」であって、被保険者の「資格確認」方法については委任の内容に含まれていないと指摘。健康保険法を改正せず、療養担当規則で資格確認を義務化する事は、法の委任の範囲を逸脱すると主張した。 その上で、資格確認の義務化によって、設備の導入だけでなく個人情報の漏洩を防ぐ為の大きなコストが掛かるとして、小規模な医療機関では対応し切れないと訴えた。
先陣を切った医師らに呼応するかの様に、茨城県保険医協会は、県内の7人分のマイナ保険証に別人の個人情報が登録されていたとするアンケート結果を発表。埼玉県保険医協会は、オンライン資格確認システムを運用する開業医の71%がトラブルを経験したとするアンケート結果を公表し、国に抗議している。
マイナ保険証については、かねてから医療や介護の現場から不安の声が多く聞かれていた。介護施設からは、動けない利用者に変わって職員が5年毎の更新を行わなければならない負担や、個人情報が入ったカードに加え暗証番号も管理しなければならない事に不安の声が根強い。
地に落ちたマイナ保険証の信用は取り戻せるか。
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