健康志向高い地域を多角的に支える
227 医療法人徳洲会 長崎北徳洲会病院(長崎県西彼杵郡)
長崎北徳洲会病院は2021年5月、長崎市北部の滑石から長与町北陽台へと移転し、敷地面積を2.5倍に拡充した。同病院は町唯一の救急指定病院として、休診日を設けず24時間の受け入れを行って来たが、移転後は診察機能を更に充実させ、地域の予防医学にも貢献する。
新病院では、徳洲会グループでも稀な試みとして、健診部門を1階に集約した。マンモグラフィーを導入し、婦人科検診を院内で完結出来る様にもなった。又、救急や急性期の患者に対応する為、初療室や検査部門、手術室等は連携し易い動線で配置。回復期リハビリテーション病棟は、脳血管障害患者が多い事から、障害者病床の一部を回復期病床(30床)に転換・増床し、その機能を強化した。新たに人工透析を開始し、透析施設の少ない長崎市北部の慢性腎不全患者を支える。
院内は患者や地域の利用者がリラックスし、愛着を持って過ごせる空間に仕上げられた。石畳を彷彿とさせるタイルやステンドグラスを取り入れ、長崎らしさを感じさせる内装が施された。3階北側に位置するリハビリテーション室は、琴ノ尾岳を望む庭園に直結しており、開放的な環境でリハビリに励む事が出来る。
災害及び感染症に強い病院作りにも力を入れている。市北部は、1982年の長崎大水害で国内観測史上最大の降水量を記録し、多大な被害を受けた。同病院も、移転前の施設ではライフラインが止まる等の影響を受けた。又、東日本大震災に際しては、職員が交代で救援活動に従事した経緯もあり、継続的な災害訓練は今も欠かさない。
感染症については、救急入り口から一般とは別に感染症専用の動線を確保し、移転当初より新型コロナウイルス感染症患者の受け入れも積極的に行っている。
長崎市のベッドタウンである長与町では、歩数計のカウントに応じてポイントを獲得し、商品券等と交換出来る健康ポイント事業を実施する等、自治体主導で健康推進に向けた取り組みがなされており、ウォーキング等に熱心な町民が多い。健康志向が高い地域で、ICT(情報通信技術)を駆使し、健診を含めた予防医学に貢献する事が今後の課題だ。地域の拠り所として、これからも町民の健康を支えて行く。
医療法人徳洲会長崎北徳洲会病院
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