220 TMGあさか医療センター(埼玉県朝霞市)
木の温もり溢れる病院で地域医療を支える
戸田中央医科グループが、TMGあさか医療センターの前身となる朝霞台中央病院を開設したのは1977年の事だ。地域に根差した急性期病院として診療を続けて来たが、建物の老朽化と化から建て替えの必要に迫られていた折、埼玉県の病床計画で120床増床の話が舞い込んで来た。同じ時期に近くの東洋大学から体育館跡地売却の話が有り、新築移転が決まった。新病院は446床に増床し、2018年1月に開院。グループ名であるTMG(Toda Medical Group)を冠し、「TMGあさか医療センター」という平仮名を使った親しみやすい名称になった。
病院の出入り口に続くプロムナードはケヤキ並木になっていて、春は新緑、秋は紅葉が美しい。大学に有った並木を残したもので、病院を安らぎの空間にする大切な役割を果たしている。又、病院建設の為に伐採したケヤキは、木材のブロックにして病院内のインテリアに生かした。東洋大学ライフデザイン科の学生達がデザインし、学生や病院職員、地域の人々が参加して木材に色を塗り、アートとして完成させたのだと言う。外来の待合やホスピタルコリドーの壁を飾るオブジェには、キャンパスに木陰を提供していた樹木達の優しい雰囲気が残されている。
飯田惣授病院長は、「目指しているのは、選ばれる病院、選ばれる職場です」と語る。患者により快適な環境を提供する為に、病室は4人部屋でも国の基準の1.5倍近い広さとし、プライバシーに配慮した構造にした。総合病院として多くの診療科を揃えるのは、効率的な病院経営に逆行するが、色々な疾患を抱えた高齢患者にはこうした病院が必要だと考えている。新設した緩和ケア科は、この病院で癌の治療を受けた患者だけでなく、都内の病院で治療を受けたが、終末期は自宅の近くで過ごしたいという患者も受け入れている。
職員に選ばれる職場にする為には、先ず更衣室や最上階のスタッフラウンジ等、働きやすい環境を整備した。更に、医療者としてモチベーションを持続出来るよう先端医療が可能となる設備や医療機器を揃える事に努めた。
「コロナ以前は、冬になるとデザイン科の学生が、病院の外に綺麗なイルミネーションの飾り付けをしてくれていました。次の冬には復活出来ると良いのですが」と飯田院長は話す。
TMGあさか医療センター
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