厚生労働省は2021年10月22日、COVID-19用ワクチン接種後の死亡報告が合計1312人であったと発表した。この中に3人の未成年者(いずれも男性)が含まれる。また、10月8日までの年齢別接種者数のデータが発表されている。これらを基に、3人の未成年者の死亡とワクチンとの因果関係を考え、「薬のチェック」速報版No1971)と英字版No21-22合併号2)に掲載したので、概要を紹介する。
症例1:
16歳男。基礎疾患なし。ファイザー製ワクチン1回目接種後6日目に心停止、DC処置後に心室細動から自己心拍が再開したが、22日後に死亡。CTや血液検査、心電図により死因は「非閉塞性腸管虚血」と報告された。因果関係は報告医も専門家も「評価不能」とした。
コメント:心肺停止する程の腸管虚血は、腸間膜動脈の血栓症によると考えられる。19年の人口動態統計で10〜19歳の動脈血栓症は、10〜14歳の男性2人の心筋梗塞だけで、脳梗塞を含め他の動脈血栓症死は0であった。したがって、症例1の死亡は、ワクチンによるものと考えてほぼ間違いない。
症例2:
16歳男。注意欠如・多動性障害(AD/HD)あり。最近薬剤は自己中止し、自傷行為が認められていた。ファイザー製ワクチン1回目接種後8日目にマンション最上階から転落死した。報告医は死因を「自殺」とし、因果関係は「関連なし」とした。専門家の評価は「評価不能」であった。
コメント:ワクチン接種後の熱せん妄を「精神病」とされて搬送中に事故死し、「自殺」が死因とされた25歳男性医療従事者の例も報告されている。過去にはタミフル服用後の異常行動死が「自殺」と誤って判断された例もある。本例も、接種後の何らかの気分不良などから一過性にせん妄が生じ、危険回避行動がとれず転落した可能性がある。
症例3:
15歳男。モデルナ製ワクチン1回目接種9時間後に頭痛、嘔吐後、意識障害をきたして救急搬送された。CTにより脳動静脈奇形からの脳室穿破を伴う脳出血と診断されたが、4日後死亡した。死因は「脳動静脈奇形による脳室穿破を伴う脳出血」。因果関係は、報告医、専門家とも「評価不能」であった。
コメント:19年の人口動態統計では10〜19歳の人口1500万人中、出血性脳卒中死亡は26人(1.7人/100万人・年)。9時間で起こる頻度はその1/365のさらに9/24の0.0018(1.7×9/24/365)。12〜19歳の接種者は10月8日現在で、440万人と推定され、接種後9時間で1人が倒れたので440万分の1人(0.23人/100万・9時間)である。この死亡率は、自然に生じる出血性脳卒中の死亡率(100万人中0.0018人)の約130倍に相当する。
他年齢層でも出血性脳卒中等循環器死亡が多発
ワクチン接種後の医療従事者や高齢者においても、出血性脳卒中や動脈血栓、静脈血栓など、循環器系の死因が突出している。10代のMOR(Mortality Odds Ratio、死亡オッズ比)は出血性脳卒中死が58.3 (95%CI: 3.5-957, p<0.0001)、動脈疾患死は253 (95%CI:14-4523, p<0.0001)で循環器疾患が死因として突出していた。接種後死亡は、10代もワクチン接種と関係があろう。そして、接種後の死亡率はCOVID-19による死亡率の約3倍になる。未成年者へのワクチン接種は、利益よりも害が上回ると考えられる。
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