厚生労働省は6月9日、COVID-19用ワクチン接種後、6月4日までに196人の死亡例があったと発表した1)。医療従事者と推定される31人中17人は女性。うち10人は、くも膜下出血または脳内出血の出血性脳卒中死亡であった。厚労省は、一般人口の出血性脳卒中の死亡率よりも少なく懸念はないとし、すべての死亡例で因果関係を否定している。
薬のチェック誌では、これらの死亡例を詳細に検討した結果、大いにワクチンと関連があると、最新号(No96、2021年7月発行)2)で警告した。その概要を紹介する。
ワクチン接種者は健康
先行してワクチンを接種した医療従事者は現役で勤務中の健康な人達である。中には26歳の女性で、ワクチン接種4日後にくも膜下出血で死亡した人も報告された。医療従事者でCOVID-19ワクチンを接種した女性の総死亡率は、同じ年齢層(20〜74歳)一般人口の総死亡率(2019年人口動態統計より)に比べて約20分の1であった。つまり、ワクチンが死亡率全体に影響がないと仮定して、ワクチン接種者は一般人口に比べて20倍健康であることを示している。したがって、出血性脳卒中の罹患率が一般人口と差がないことは、むしろ出血性脳卒中を起こしやすいことを示唆している。
脳出血ほか循環器病死亡のオッズが著しく高い
女性の死亡者全体のうち出血性脳卒中による死亡は、一般人口(20〜74歳)では4.5%であったが、ワクチン接種後の医療従事者では59%と突出していた(オッズ比30.6、p<0.00001)。
男女合わせると、出血性脳卒中死は一般人口では4.2%、医療従事者では35.5%であった。動脈系血管病死(動脈瘤解離、心筋梗塞、脳梗塞)は一般人口9.1%に対してワクチン接種医療従事者19.4%、静脈系血管病死(静脈血栓症、肺塞栓症)は0.3%に対して6.5%、その他循環器が8.3%に対し22.6%であった。出血性脳卒中だけでなく、あらゆる循環器疾患死亡の割合が大きい。合計循環器疾患死は一般人口22%に対し、医療従事者では84%と突出して高かった(オッズ比18.6、p<0.00001)。
高齢者でも同様の傾向
高齢者(65歳以上)の出血性脳卒中、動脈系、静脈系、その他循環器疾患死の割合はそれぞれ、一般人口で2.2%、8.9%、0.2%、14.5%に対し、ワクチン接種者は12.5%、21.5%、2.1%、32.6%と、やはり循環器疾患死亡が突出していた。循環器疾患死亡の合計は一般人口6%対ワクチン接種高齢者で69%、オッズ比6.3(p<0.00001)であった。
スパイク発現血管内皮の破壊によるだろう
COVID-19用ワクチン接種者で循環器系疾患死亡が多い機序として、以下のことが考えられる。
mRNAを含む脂質ナノ粒子は、ワクチンを筋注後にリンパ管を経て全身循環に入り、血液が停滞した部分でmRNAを含む脂質ナノ粒子を取り込んだ血管内皮細胞に取り込まれ、そこでスパイクタンパクを発現したと考えられる。すると、免疫系により異物と認識され、細胞性免疫で排除されて血管内面に傷ができ、出血や血栓を起こした、という可能性である。
このように、血管系障害は、自己免疫疾患としてではなく、ワクチンそのものの性質に関連した害反応であり、因果関係があると考える。
参考文献————————————————
1)厚生科学審議会、予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会
2)薬のチェック2021:21(96):89-91
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