212 イムス東京葛飾総合病院(東京葛飾区)
変貌する東京・葛飾区の救急医療を担う
漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』で有名な亀有や、映画『男はつらいよ』で知られる柴又帝釈天、江戸時代の菖蒲文化を伝える堀切菖蒲園がある東京都葛飾区。かつては住宅地に町工場が点在していたが、現在、工場跡地は集合住宅や商業施設に変わった。人口は約46万3000人と、石川県金沢市や広島県福山市等と肩を並べる。
しかし、葛飾区の人口10万人当たりの病床数は、都平均や周辺区(足立、荒川)よりも少なく、区南部(新小岩地区)は救急対応病院がなかった。そこで葛飾区は医療提供体制を強化するため、JR新小岩駅北口から徒歩7分の小学校跡地に民設民営の病院を誘致する事にし、公募の結果、関東を中心に医療関連機関を展開するIMS(イムス)グループ(中村哲也会長)の医療法人社団明芳会を選定した。
明芳会は同区内の京成堀切菖蒲園駅近くにあった新葛飾病院(回復期に機能転換し、「イムスリハビリテーションセンター東京葛飾病院」に名称変更)を新築移転する形をとり、2017年、急性期病院の「イムス東京葛飾総合病院」として開院した。9階建てで、病床数は現在227床。診療科は20科をそろえ、特に外科系が強い。
また、外来化学療法や日帰り手術センター、下肢静脈瘤センター等専門性の高い外来機能や、心・脳血管内手術に対応出来るハイブリッド手術室と内視鏡センターを設け、24時間・365日稼働出来る体制を整備した。下肢静脈瘤センターは区内で唯一、医療用接着剤(グルー)を用いた画期的な血管内治療を行っている。
病院理念は「もてなす心で、患者様満足度100%を目指し、地域社会への貢献」。基本方針として▽患者様にやさしい、低侵襲治療の提供▽断らない救急医療の提供▽専門性に特化した高度医療の提供▽笑顔の接遇で愛し愛される病院—を掲げる。
実際、同病院では「医師に信頼されている医師」として選出される「ベストドクター」に吉田成彦院長(心臓血管外科)と岩崎善毅副院長(外科)が選ばれたり、日本の心臓手術の世界的権威である磯村正・心臓血管外科特任部長が『名医のいる病院』に掲載されたりしている。
同病院は地域医療を一層充実させるため、2年後をめどに、駐車場の一角に150床の新病棟を建設する予定だ。
イムス東京葛飾総合病院
LEAVE A REPLY