日医・中川会長「空気読まない」力で
メディアへの露出度がアップ
日本医師会(日医)の中川俊男会長が、コロナ禍でにわかに注目を集めている。「日医は毎週水曜日に会長の定例会見を開いているが、コロナ禍で会長の会見やそこでの発言が取り上げられる事が増えているのです」(全国紙記者)。
確かに、政府が1都3県を対象に緊急事態宣言を発令する予定と伝えられた1月6日の会見はテレビで生中継され、翌日の新聞各紙でも発言が報じられた。特に、国会議員が夜の会食に関して「4人以下、午後8時まで」とルール作りをしようとしていた事について、「人数にかかわらず全面自粛してはどうか」「国会議員に範を示していただきたい。隗より始めよ、だ。4人以下の会食なら感染しないというのは間違いだ」等と激しく批判した事はニュースで大きく取り上げられた。
「政権に近く、根回しも得意だった横倉前会長であれば、ここまで踏み込んだ発言はしなかっただろう」と医療専門誌記者。「中央社会保険医療協議会(中医協)で長年、ガチのバトルを得意としてきた中川氏ならではの舌鋒の鋭さだ。中川氏の〝空気を読まない〟力がいい方に出た」と全国紙記者も苦笑交じりに持ち上げる。
コロナ禍で医療現場の厳しさが増す中、こうした歯に衣着せぬ中川会長の発言は、国民の支持を集めているという。「菅首相のように、日本の指導者は『官僚が用意した文章を読んでいるだけ』という演説が多い。もちろん日医会見も基本的にはプロンプターの原稿を読んでいるのだが、中川氏の遠慮のない言葉は医療崩壊の危機に届ける言葉としてはちょうど良い」と政治部記者も評価する。
一方で、「会食発言等で中川氏を良く思わない国会議員も少なくないはず。今後、報復されなければ良いが……」(医療関係者)と心配する声も出ている。
次の会長へのワンポイントリリーフとも言われていた〝中川政権〟だが、メディアへの露出度アップにより意外と長期化するかもしれない。
金沢大医学部准教授の15年以上に渡る
大学との「壮絶な戦い」が話題に
金沢大学医学部の小川和宏准教授(分子情報薬理学)の公益通報に端を発する15年以上に渡る大学との〝バトル〟が壮絶過ぎると話題になっている。小川氏が最初に大学に調査を申し入れたのは2006年1月。金沢大学に着任して間もなく、上司に当たる教授が薬品業者と裏金作りをしている事を知り、大学本部に通報した。しかし、大学側は通報内容を教授に知らせてしまい、大学の調査では裏金はなかったとされた。その後の第三者を交えた調査で裏金が判明したが、この一件から教授による小川氏への嫌がらせが始まったという。
「小川氏は13年には医療死亡事故が起きた事を厚労省に報告。しかし、これまた厚労省の職員が死亡事故を起こした教授に通報があった事を知らせてしまった。厚労省の職員は情報漏洩で処分されたが、これにより小川氏はまたも担当授業を減らされる等の嫌がらせを受けるようになってしまった」(医療担当記者)。
中でも驚きなのが、教授のお気に入りの学生達の成績がかさ上げされていた事を突き止めた小川氏のブログに「殺す」「さっさと自殺しろ」等の書き込みがあり、書き込みをしていたのが学生の1人だったと判明した事だ(学生は脅迫容疑で逮捕)。これら小川氏の一連の戦いは、ツイッターで「壮絶過ぎる」と話題に。戦いに終止符が打たれる日は来るのか。
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