208 日本赤十字社 長崎原爆病院(長崎県長崎市)
ホスピタルアートとデジタルアートの融合
第2次世界大戦末期に原爆を投下された長崎市。被爆者の医療と健康管理を目的に、日本赤十字社長崎原爆病院は1958年に開院。その後、建物が老朽化したため、82年に新築移転した。
2015年からは新しい医療ニーズに応えるため、新たに病院建設をスタート。18年には地上15階建ての新本館が開院した。高層部は長崎港や山頂が観光地として有名な稲佐山等を一望出来る。2階の外来治療室は旧病院よりも面積を拡大、病床数も8床から20床に増やした。8〜14階は病棟で、多床室(3〜4人)とプライバシーを重視した個室を用意した。
14階は主に一般内科で無菌室と一般病室からなる34床の病棟だ。がん化学療法を受ける患者が多い。最上階の15階には全室個室の緩和ケア病棟を設け、緩和ケア専門の医師や認定看護師を中心としたチームが診療に当たっている。
今年3月には地上4階建ての新別館も完成。1階はイートインコーナーを備えた広いコンビニや赤十字ギャラリー、2階は最大200人収容の講堂、3階は日赤長崎支部、4階は健診センターで、エコーや内視鏡等各種検査室を備えた本館4階への移動が便利になった。
病床数は315床(急性期病床:291床、HCU〈高度治療室〉:6床、緩和ケア病床:18床)、診療科は21、職員数は約760人の態勢となった。
しかし、医療財政が傾き、地域住民が減り、医療機関も淘汰される時代だ。「当院も積極的に情報を発信し、地域住民が安心・安全を確信した上で選択出来るように『地域に愛される病院』を目指している」と谷口英樹院長。
具体的には、情報を「どのように見せるか」を重視して、デザインを工夫した「デジタルアート」の1つとしてSNS(ツイッターやフェイスブック)を導入。そして、画像や映像等で自院の医療サービスや様々な活動(ホスピタルアート)の配信を始めた。
Web/デザインを担当する総務課の塩田俊介氏は「これらの情報を通じて当院を身近に感じてもらえれば、信頼の構築と業務の効率化に繋がる」と話す。
長崎原爆病院
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