パラ前に乗車拒否相次ぐ
「車椅子タクシー」大丈夫?
パラリンピックを前に、車椅子のまま乗り込む事が出来る車高の高いタクシー(ユニバーサルデザインタクシー、UDタクシー)の普及が進んでいる。「都心部でよく見掛けるようになった。国の補助金があり、タクシー各社で導入を進めている」(国土交通省担当記者)。ところが、このUDタクシーに乗車拒否をされた車椅子利用者が3割近くいる事が、障害者団体「DPI日本会議」の調べで分かった。
UDタクシーは、車椅子のままトランク部分に乗り込める広い車内空間を持ち、横スライド式のドアを採用。車椅子で車内に入れるよう、スロープを取り付けることが出来る。国の普及拡大施策にのって、現在2万台以上のUDタクシーが走っているとされる。
しかし、DPIが東京を中心に全国で調べたところ、都内で21%、それ以外の地域では29%の乗車拒否があった。乗車場所別にみると、流しでは20%、タクシー乗り場では24%、電話予約では29%である。
拒否の理由は「乗せる方法が分からない」「UDタクシーを指定しての配車は出来ない」等だった。乗降に時間がかかることから、後続車に迷惑がかかるなどの意見もあった。
「UDタクシーに乗った時、『会社が普及を図っているのでこの車を運転しているが、スロープの設置が面倒で困る。研修を受けたが、やり方はもう忘れてしまった』と運転手が訴えてきてびっくりした」(同記者)との証言もある。国交省によると、車椅子利用者の乗車拒否は道路運送法違反に当たる。東京で開かれるパラリンピックでは多くの車椅子利用者が訪れるとみられるが、このままで大丈夫だろうか。
病気も虫も……
「隣国」からやって来る!
南米原産で強毒を持つ「ヒアリ」が国内に定着した可能性あることが環境省の調査で分かった。東京港青海ふ頭のコンテナ置き場で、働きアリ約750匹、繁殖能力のある女王アリが約50匹確認され、多数の働きアリと女王アリで構成される「コロニー」が形成されていたのである。
見つかったヒアリは駆除されたが、既に別の場所に飛び立って新たなコロニーを形成している恐れがあり、何世代にもわたり繁殖を続ける、いわゆる「定着」を防ぐための対策は待ったなしの状況だ。
「南米原産のため遠い地域から来ると考えがちだが、実は日本で見つかったヒアリの7割は中国の港から来た船のコンテナにいた。中国ではヒアリの定着が確認されており、警戒が必要だ」と同省関係者。ヒアリの定着が確認されているのは南米の他、米国・中国・台湾・豪州だという。
「人や物の行き来が活発化した現代、島国だからといって日本に影響が及ばないとは考えられない。例えばウイルスなどの病原体も、昔に比べ世界に広がるスピードが速まった」と医療分野の研究者は警戒する。特に中国からは多くの物資が日本に輸入され、人の往来も盛ん。新型インフルエンザになる恐れのある鳥インフルエンザも、中国で多く発生している。
人だけではない。中国では昨年以降、感染力が強く致死率がほぼ100%とされる家畜の伝染病「アフリカ豚コレラ」が急速に広がっているとされる。日本で今年も確認された「豚コレラ」とは異なる病気で、日本ではまだ感染は発生していないが、「時間の問題」との声もある。警戒を続けなければいけない。
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