NHK「身体拘束」番組巡り
医療従事者から批判殺到
NHKが9月11日に放送した病院での身体拘束をテーマにした「クローズアップ現代+〜身近な病院でも!なぜ減らない“身体拘束”」に、現場の医療従事者から多くの批判が殺到する事態となった。
関係者によると、番組では精神科でない一般病院に入院する認知症患者の半数近くが身体拘束を受けているとの調査結果を示し、なぜ拘束が行われているのか、拘束が患者にどういう悪影響を与えるか、拘束以外の方策はないのかを探った。
ところが、この番組に対して看護師や医療関係者らが反発。ツイッターなどのSNSを中心に「身体拘束をやりたくてやっているわけじゃない」「現場を分かっていない。しっかり取材して」など多くの批判が寄せられたのである。
これを受けNHKは、番組の公式サイトで「番組に寄せられた声」として批判のいくつかを紹介。「番組で十分伝わっていない点については、表現の仕方などにもっと工夫が必要だったのではないかと感じています」などと反省の弁を述べた。
番組を見たというマスコミ関係者は「番組では、現場がやりたくてやっているわけでないこと、夜勤帯の人手不足から致し方ないこと、患者を怪我させると訴訟リスクがあることなど、寄せられた批判に書かれていた多くについて触れていた。取材が足りなかったり一方的だったりといったことはなかったと思う」と語る。その上で「『なぜ減らない身体拘束』のタイトルから一方的な身体拘束批判番組と誤解し、番組を見ずに反発した医療者もいたのではないか」と分析する。
いずれにしても、批判の多くが悪影響を知りながら拘束やむなしに追い込まれている医療現場の悲鳴と受け取れることは事実。今後もこの問題を考えていきたいとした「クロ現+」の次の一手に注目が集まる。
東海村臨界事故から20年でも
被曝医療に不安なお
日本の原子力施設で初めて被曝による死者を出した茨城県東海村の核燃料加工施設「JCO」の臨界事故から20年が経過した。この間、日本は東京電力福島第1原子力発電所の事故に見舞われたが、東海村の事故を受けて整えてきたはずの被曝医療はほとんど機能せず、見直しを迫られる事態となっている。
「JCOの事故は1999年9月30日、核燃料の原料を作っていた作業員2人が作業行程を簡略化しようとして臨界状態が起きたというもの。2人は大量の放射線を浴びて死亡し、周辺住民らも被曝した。当時は被曝した患者を受け入れる医療体制が乏しく、同様の事故が起きた際に事業者は応急処置ができる医療体制を整える必要があるとされた」(科学部記者)。
ところが、2011年の福島第1原発事故では作業員の大量被曝はなかったものの、広範囲の住民が軽度の被曝をした。医療体制の整備は事業者任せだったため、作業員ではなく住民、しかも数多い人数の除染に対応できる体制にはなっていなかった。
「福島の事故を受け、原子力規制委員会は、体制を全面的に見直した。原子力施設から30㌔圏内の21道府県に、汚染や被曝の有無にかかわらず傷病者を受け入れる原子力災害拠点病院を配置するよう求めた」(同)。
それでも、20年の間に2度の事故が起きた以上、安全に「絶対」はない。今後もあらゆる事態を想定し見直しを続ける必要がある。
確かにタイトルだけをとると、必要だからしている抑制が悪にされていると受けとる人もいるかもしれません。そして減らす努力やしないように考えるのは実は普通のことです。つまり、大切なのは、する、しないの議論ではなく、本質は何故、抑制件数が増えているのかということで、高齢化は大きな要素だと思います。本邦で医療への本人の意思決定を事前にしている人が少ないのも一つの要因となっていると思います。ここで議論されていることは、抑制ゼロを理想論のみで謳って、現場を見ていない自己満足している一部の看護師、医師の自慰行為に過ぎません。