SHUCHU PUBLISHING

病院経営者のための会員制情報紙/集中出版株式会社

未来の会

さいたま赤十字病院(埼玉県さいたま市)

さいたま赤十字病院(埼玉県さいたま市)

注目される周産期医療の協働運営
185 さいたま赤十字病院(埼玉県さいたま市)

さいたま赤十字病院の旧病院は、救命救急センターや地域周産期母子医療センターを擁し、地域がん診療連携拠点病院や地域医療支援病院、災害拠点病院などの認定を受け、地域において高度急性期病院としての役割を果たしてきた。

 しかし、開院が1934年ということもあり、建物の老朽化と耐震性が問題化。そこで、さいたまスーパーアリーナや官民の高層ビルなどが立地する、約1.3km離れた「さいたま新都心」に2017年1月に移転・開院した。

 同じく建て替えが課題となっていた埼玉県立小児医療センター(病床数:316床)も16年12月に隣接地に移転・開院。同県は周産期医療体制が弱いと言われる中、同センターと共同で総合周産期母子医療センターを開設した。

 また、さいたま赤十字病院は県内2番目となる高度救命救急センターの認可も受けた。この他、サイバーナイフやPET/CT装置の導入によってがん先端医療のさらなる充実を図ったり、より高度で低侵襲な心臓血管治療を行うハイブリッド手術室を設けたりした。

 安藤昭彦院長は「県立小児医療センターとの総合周産期母子医療センターの協働運営は、地域医療の一つのモデルケースとなっています。他にも、大人の先天性心疾患の患者さんのカテーテル治療を県立小児医療センターで行い、術後の経過を当病院で診るといった連携を行っています」と話す。

 地下1階、地上14階建て。1階に救急外来、4階にICU(集中治療室)、HCU(準集中治療室)、救急病棟、8階にCCU(冠疾患集中治療室)、屋上にヘリポートを備え、周辺地域はもとより埼玉県内における高度救急医療体制を整えている。

 病床数は移転前の605床から638床へと増床した。そのうち6床は身体合併症精神科病棟になっている。また、退院後の自宅での生活や介護、地元の医療機関の紹介などについて患者や家族から相談を受ける「総合支援センター」の機能強化も図っている。

 働き方改革が叫ばれる中、安藤院長は地域の医療機関の間での役割分担、職員の時間外労働の削減や業務の効率化に取り組む。具体的には、職員の研修やセミナーの開始時間の前倒し、電子カルテの音声入力の普及などを進めようとしている。

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

COMMENT ON FACEBOOK

Return Top