虚妄の巨城
武薬品工業の品行
武田薬品工業は2018年12月5日、大阪市でアイルランドの製薬大手・シャイアーの買収に関連する必要事項を議決するための臨時株主総会を開き、会社側の提案が株主の3分の2以上の賛成を得て可決された。
既に半年前の6月28日に開催された定時株主総会では、買収に強く反対する「武田薬品の将来を考える会」の株主が、将来1兆円を超える企業買収を手掛ける際には、株主総会での事前の決議義務付けを加える定款の一部変更を求める株主提案を提出。だが、10%に満たない9・44%という賛成票しか集められず、否決されていた。
この数字から、約7兆円もの巨額買収の賛否を問う実質的に最後の機会となった今回の臨時株主総会でも、武田側が、買収反対票を3分の1以上集めて廃案にするという「武田薬品の将来を考える会」の意図を封じ、乗り切るという見方が事前に有力だった。それでも、6月の定時株主総会で社長のクリストフ・ウェバーは、臨時株主総会の開催を「19年初頭」と述べていたはずだ。それが11月12日になって、突如12月5日の開催日が発表された。会社法では、株主提案権の行使は株主総会の8週間前までとされており、実質的に「武田薬品の将来を考える会」の株主提案が封じられた形と言えよう。
これについて、武田広報の説明だと、当初の言明よりも約1カ月前倒しにされた「12月5日」の設定は、「クロージングまでを最短にするため」だとか。その程度の理由であれば、最初から「19年初頭」などと言わなくてもよさそうだが、事前の開催日発表がわずか3週間前では、何やら「武田薬品の将来を考える会」への対策めいた意図を感じさせなくもない。
うがった見方をすれば、武田は臨時株主総会まで可能な限り、買収を巡る議論が深化し拡散する機会を押さえ込みたかったのではないか。だとすれば、定時株主総会でたかだか12人ほどの数しか集められない「会」への対応ぶりは、製薬業界第一位の大企業にはふさわしくない余裕のなさを感じさせる。今回の臨時株主総会の結果はどうあれ、要はこの買収が明らかに無理筋だということの表れではないか。
創業者一族の元社長は買収に反対
特にそのことが強く印象付けられたのは、今回、創業者一族の元社長である武田国男がこれまでの沈黙を破って、シャイアー買収に反対の意思表示をしたからだ。
『朝日新聞』11月29日付(電子版)によると、「国男氏は、武田薬品が他社を買収して会社の規模や海外の販路を広げることには賛成だが、シャイアーの企業価値を分析したところ『借入金も多く、リスクが大きい』と指摘。買収反対を決めた」とされる。
武田の創業者一族の意向は、「武田薬品の将来を考える会」によって代弁されているとの観測は以前から伝わっていたが、ここまで明確に個人として「買収反対」が表明されたのは初めてだ。国男と言えば、自称「落ちこぼれ」ながら、一族の七代目として当主(社長)になるはずだった実兄が46歳で急死したため、予期せぬ人事で1993年に社長に就任。当初、「バカ殿」と周囲では陰口をたたかれながら、社内の大改革を断行し、就任9年目で連結決算は売上高1兆円、純利益2356億円を達成。「異端の経営者」として名を残した。
そのため、今回の「反対表明」はそれ相応のインパクトを与えたはずだが、かつて国男が後継者に指名したのは、社内で「宇宙人」と呼ばれていたあの長谷川閑史。長谷川はことごとく稼ぎ頭の新薬開発に失敗した挙げ句、「グローバル化」を進めて海外企業の買収路線に走り、「2兆円をドブに捨てた男」という汚名を頂戴した。加えて、長谷川が指名した後継者は、フランス人のウェバー。創業者一族から「会社を外資に売り渡すつもりか」という猛反発が起きたが、後の祭りだった。
今後の進展如何では、ウェバーは下手をすると「7兆円をドブに捨てた男」になりかねない。そうなったら、武田の創業238年の歴史が閉じられる事態に陥る。当然、その遠因となるだろう「2兆円をドブに捨てた男」を後継者に指名した国男まで、責任追及の累が及ぶのも避けがたい。その国男が今になって、あえて「リスクが大きい」と叫ばざるを得なくなっているのは皮肉な巡り合わせだが、「7兆円をドブに捨てかねない男」は聞く耳を持たないようだ。
判断に必要な情報開示の拒否に疑義
一方、武田のシャイアー買収は、欧州委員会や米国連邦取引委員会、日本の公正取引委員会、中国国家市場監督管理総局、ブラジル経済擁護行政委員会などから既に承認を得ており、今回の臨時株主総会を前に個人投資家向けの説明会を開いて買収の無謀さを訴えるなど孤軍奮闘を続けてきた「武田薬品の将来を考える会」の努力は、水泡に帰したかのようだ。だが、同会を敗者と見なすのは早計かもしれない。この間の武田と「武田薬品の将来を考える会」のやり取りを観察すると、どうひいき目に見ても武田側に分があるとは思えないからだ。
一例を挙げると、同会は10月と11月に武田に対し、シャイアー買収に関する「公開質問状」を提出。その際、武田は「英国のTakeover Codeやその他の法規制を理由に、買収完了後の新会社利益計画や3兆円に上る借入金の返済計画等、株主が本事案の是非を判断するに必要な情報開示を一貫して拒否」したという。
ところが何と、同会が「英国のTakeover Panelの幹部と接触し、確認しましたところ、当該Codeでは企業買収案件につき、案件成立後の利益計画等計数見込みの開示を決して禁止しているものではない。むしろ、株主が正当に判断し得るような情報開示を奨励しており、今回の案件で武田薬品がTakeover Codeを理由に情報開示しないことは疑義があるとの文書による回答」を得たとされる。(「武田薬品の将来を考える会」のホームページより)
これが事実なら、武田経営陣は虚偽の名目を弄して、株主に基本的情報を与えないまま買収を強行したことになる。それだけ、買収を正当化する根拠が脆弱だったということなのか。こうしたやり方でゴリ押しをして結果がもし凶と出たら、ウェバーは巷で悪評ふんぷんの同国人である日産のカルロス・ゴーンの比ではない損害を会社へ与えることになるのだが……。 (敬称略)
武田姓の方から嫁入りを頂いた親族の者ですが、今回の経営騒動は個別企業内に留まらず、外部からの横槍り工作がなされている疑いが十二分に有る懸念を覚えます。
私はかつて新電々と呼ばれた旧D*I(現K*DI)に勤務しておりましたが、本社を含む東京勤務の事情や社長室秘書との同期関係(二股的被害含む)、景気や経営悪化等が原因となって、転職の可能性も含めて身の振り方を検討していた処、逆に見せしめ的に干されて自己都合退職を強要されてしまい、個別労使紛争で争った経緯があります。
それだけならばそう珍しくもない個人トラブルでしょうが、金融や通信自由化といった外交含みの国策で誕生した企業であり、米国がIT革命で再興して今や同国企業の時価総額トップ10中の8割方を占める最大勢力業界となった時流の影響を受けて、日本でも政官財マスコミ他の癒着の本流を占めるに至っている様相です(無論、同業他社の存在も有り)。
その中心は、旧D*Iやその大株主であったKセラ、Sニー、Uシオ電機、Sコム、ミ菱商事、ミ井物産に加えて、2.26事件の系譜を受け継ぐJ党系最小派閥の旧山山奇派(現石八ラ派)、A倍首木目、石I氏ら正欠治家、ヤク所、外国勢力(の一部)にまで及んでいると実感しています。
関係者以外には分からず、また日本人は都合良く洗脳教育されていて、社会の実態や真相を理解していない人が多い風に思われますが、まさに三大悪(巨悪・凶悪・偽善)の中心から遠くない場所に位置付けられるでしょう。
こういった事情から、長らく集団ストーカー犯罪等に見舞われるに留まらず、周囲を含めて被害が百を超えて多発しており、新聞の一面を飾った幾多の事件の背景にもなっている様な状況と見受けられます。
ごく一部を具体的に挙げれば、吉M興業のお家騒動、阪S電鉄の買収騒動(M上ファンドの背後に黒幕在り)、日本郵政の経営問題といった企業乗っ取り画策事件から、医薬品業界を管轄する厚生労働省・事務次官の一家殺害、後任に異例のノンキャリ女性抜擢(郵便不正事件の容疑者が就任するという異常さ)等が挙げられますが、日本の政治、経済、社会の深い闇を最早隠す気すらなさそうな厚顔無恥ぶりに呆れるより他になく、他人事では済まされない処にまで来ています。
メディアにおいても、長らく水面下でネタとして大騒ぎされている様ですが、悪側のご都合主義的な洗脳・隠蔽工作が強力であり、対抗勢力が手を焼いたり懐柔工作を受けたりしているのがよく分かります。
しかしながら、NHKの大河ドラマ「いだてん」や来年度の明智光秀作品(長谷川姓の男優が主演)、AI創薬等の流れを見れば、大まかには、特に私が指摘するまでもなさそうではあります。
タレントの滝川クリステルさんと小泉進次郎氏の結婚も、今夏最も注目を集めた話題に上っており、政略含みならば、そこまでやらざるを得ないのか?と云う印象もなきにしも非ずですが、
ともあれ、税金を取られながらも、腐敗した政界・頼りない行政任せには出来ない現状を改善すべく、個々人が労力を費やして、明るく正しい社会が実現されんことを心より願うばかりです。
ここでのコメントは、武田の実態を良く掌握した上でのものであり、大変、説得力のあるものだと思います。
前CEOであった長谷川閑史の無謀なNycomed買収を始め、Weberの武田資産の止めを知らぬ売却による
株価維持策等は絶対に許されるものではありません。
ここで指摘されている通り、正に日産ゴーンの破廉恥施策を上回る暴挙だと思います。
日本の財界、政界、マスコミを始めとする民間の総力を結集して、現在の武田薬品の悪政を糾弾すべきです。