「地域多機能型病院」を実践する
184 平成横浜病院(神奈川県横浜市)
1984年に徳島市内に設立された博愛記念病院を原点とし、現在26病院を展開する平成医療福祉グループ(武久洋三理事長)。ポストアキュートケア(急性期を経過後の患者の治療)を専門的に行っている同グループが2013年、日立製作所が運営していた日立横浜病院を買収、リハビリテーションを重視した病院として新たなスタートを切ったのが平成横浜病院だ。
病床数は現在、回復期リハビリテーション病棟が93床、地域包括ケア病棟が44床、一般病棟が36床の計173症。地域の疾病ニーズにきめ細かく応えられるように、外来診療には多数の診療科を備えている。中でも総合診療科では原因が特定できない病状や、複数の疾患のため総合的な診療を要する患者の診療を担当し、方針が明確になった場合または他院の専門診療科への紹介を行う。
三輪健院長は「大学病院や高度急性期病院と診療所の間を繋ぐのが我々の仕事。高度急性期病院からの患者さんを受け入れ、可能な限り必要かつ十分なリハビリを提供し、生活機能を改善した上で、できるだけ早くご自宅に返してあげるのが一番大事な役割」と言う。
同病院は予防医学をさらに充実するため、2018年6月に総合健診センターをリニューアルオープンした。地下1階、地上4階建て。特徴としては①1.5テスラのMRIや3Dマンモグラフィー、80列マルチスライスCTなど最新医療機器を備えた健診②予防医療の最新知見を取り入れた人間ドックコース③ロッカールームやラウンジはもちろんのこと、計測・生理検査・診察の各エリアも男女別④保育士が常駐する無料託児室⑤管理栄養士と専任シェフが協同で考えたメニューを提供するビュッフェ形式の健康レストラン⑥2次検査や精密検査が必要な場合、病院と連携したスムーズでスピーディな対応——が挙げられる。
「病気の早期発見だけでなく、地域の皆様の健康づくりの拠点となることが目的。設備を刷新し、快適な環境で安心して検査を受診していただける施設を目指し、日々取り組んでいます」と三輪院長。
三輪院長は病院や診療所との「顔の見える関係」を重視し、各病院や地元医師会などが開いている連携会議にこまめに顔を出している。「当病院のある戸塚区内と周辺の医療機関を一つの大きな病院群として捉えている。地域の先生方と共に地域医療を築いていきたい」と話す。
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