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偽造ハーボニー事件の犯人は覚醒剤取締法違反で逮捕されていた

偽造ハーボニー事件の犯人は覚醒剤取締法違反で逮捕されていた
偽造ハーボニー事件の犯人は
覚醒剤取締法違反で逮捕されていた

 昨年1月、奈良県の薬局でC型肝炎治療薬「ハーボニー」の偽造品が見つかった事件で、警視庁は今年2月7日、医薬品医療機器法違反の疑いで、広島県のいずれも無職、加瀬敬幸容疑者(43歳)と妻の芳美容疑者(49歳)を逮捕した。

 逮捕容疑は昨年1月4日、ハーボニーの偽造品が入ったボトル2本を1本当たり約80万〜100万円で東京都千代田区の薬品卸売会社「エール薬品」(解散)に販売したなどというもの。偽造品には同じC型肝炎治療薬の「ソバルディ錠」や漢方の錠剤が入っていたが、2人は「売ったのは本物の薬だった」と逮捕時点では容疑を否認した。

 警視庁担当記者によると、夫婦は偽名を使ってエール薬品に偽造品を持ち込んでおり、その足跡は大阪周辺で途絶えたという。しかし、警視庁の地道な聞き込みや防犯カメラの映像などから2人が浮上。警視庁は覚醒剤取締法違反事件で広島県警に逮捕、起訴されていた2人を逮捕した。

 「薬物事件とはいえ、覚醒剤という違法薬物と医薬品のハーボニーでは全然流通ルートが違う。しかし、我々が思う以上に両者の距離は近いのかもしれない」とは厚生労働省関係者の弁。関係者は「ハーボニーの偽造品に違法薬物を混入されなくて本当に良かった」と語る。

 日本の薬の〝安全神話〟を揺るがした今回の事件。違法薬物を捜査する専門機関である麻薬取締部を持つ厚労省は、容疑者逮捕でひとまず安心とはいかないようだ。

ノーベル賞・山中教授の記事で
共同通信社に対して高まる批判

 ノーベル賞受賞者、山中伸弥氏が所長を務める京都大学iPS細胞研究所で1月下旬、論文不正が発覚した。もちろん不正は良くないが、このニュースに関連して記事を配信した共同通信が、「数時間後にしれっと内容を改変した」として批判の的となっている。

 問題になったのは、共同通信が1月25日午後2時半ごろに配信した「山中氏、科学誌創刊に深く関与か」という記事。不正の論文が掲載された科学誌の創刊に山中氏が関わっていたことを報じた。しかし、この記事を紹介する同社のツイッターが、山中氏が自分の影響力が強い雑誌に問題の論文を掲載し、不正を見逃したような書き方をしたことから炎上。科学の世界では、その分野の権威が雑誌創刊に関わることはよくあるが、論文掲載の際、同じ研究所の人物が査読することはあり得ない。それなのに、不正と山中氏を関連付けたとして、記事はネット上で〝印象操作〟と批判された。

 こうした批判にさらに油を注いだのが、約6時間後に共同通信が同記事を「山中所長が給与全額寄付」とのタイトルに差し替えたことだ。本文も大きく書き換えられ、不正論文の研究費に一般からの寄付金が含まれていたことを重く見た山中氏が、給与を当面、研究所に全額寄付することにしたとの内容になっている。最初に配信した際のくだんの雑誌については、記事の最後で短く触れただけだ。

 全国紙記者は「共同通信は配信記事を差し替えて新しくしていくが、ここまでガラリと内容が変わるのは、当初の『ニュース性』の判断に疑問が生じたからだろう」と推察する。ネットでは、ツイッターで最初の記事を宣伝していた松吉氏なる人物が原稿の筆者として批判されたが、同社関係者によると、書いたのは別の記者のようだ。

 共同通信から公式な説明はないが、ネットでは「共同通信の科学記事は二度と信用しない」「取材は受けない」との批判は続いている。今後の同社の配信記事に厳しい目が注がれるのは間違いない。

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