「日本大学田中理事長体制を
守ってきた責任は文部科学省にある!」
文部科学省からの補助金は年間150億円
日本大学のアメリカンフットボール部「フェニックス」の問題は、記者会見をはじめ数多くの失態を積み重ねた結果、いよいよ田中英壽理事長の進退問題に発展してきたが、これは昔、田中氏とライバル関係にあった日大のゴルフ部監督、アメリカンフットボール監督(今回の内田監督ではない)、レスリング部監督の怨念が引き起こしたに違いない。田中氏を含めた四人はそれぞれがドンだったが、最後にトップに昇りつめたのは一番ダーティーだと言われた田中氏だった。
「集中」は田中理事長が理事長選挙に出るより遥か前から特別な存在として注視し、「日本大学の総長選挙の魑魅魍魎(上)2008年5月号(中)6月号(下)7月号」を記事にしている。その記事を改めて読み返して見たが今でも新鮮な記事だ。
2008年5月号_日本大学の総長選挙の魑魅魍魎 ㊤
2008年6月号_日本大学の総長選挙の魑魅魍魎 ㊥
2008年7月号_日本大学の総長選挙の魑魅魍魎 ㊦
2003年、当時の総長瀬在氏の任期満了に伴う次期総長選選挙、当時常務理事だった田中氏(現理事長)は反瀬在として総長候補に理工学部長小嶋勝衛氏を担いで選挙に挑んだ。この選挙戦の中でピストルの実弾がライバルに送りつけられた。大学内の選挙で実弾が飛ぶなど前代未聞であり、被害届を受理した麹町警察署が動くものの未解決のままだ。この選挙で田中氏の応援を受けた小嶋氏が勝利し総長に就任。
しかし、選挙応援と引き換えに理事長のポストを約束した新総長小嶋氏は田中氏を推薦することなく自らが理事長に就任した。この裏切りに怒り狂った田中氏は、次の総長選挙では酒井生物資源学科教授を担ぎ出し小嶋氏を引き摺り降ろした。
この当時、田中氏の「取り巻き4人衆」がいたが、その中の一人が当時歯学学部長だった現学長大塚吉兵衛氏だ。当時から田中氏の子飼いとして平身低頭、お使えをした結果、学長にして貰った身としては間違っても田中氏の責任を追求する言葉など言えるはずもない。お粗末な記者会見はその賜物だ。
田中氏は四方八方から飛んで来る矢をくぐり抜け2008年に念願の理事長に就任した。就任と同時に市ヶ谷の日本大学本部ビルの5階の理事長室の隣にあった学長室を潰して増築を図る。そして瞬く間に日本大学の全権掌握を果たす。
記憶に有る方もいると思うが、田中氏が理事長就任した直後に世界中の著名な音楽家から「WHY!クレイジー!」と強い抗議が届いた。それはお茶の水にあった日本大学が世界に誇るコンサート会場「カザルスホール」を取り壊したからだ。日大芸術学部の教授連も「音楽界の恥さらし!」と罵倒されたと言う。世界中の音楽家の怒りも元学生横綱にはピンと来なかったに違いない。
日本大学の一年間の収入は授業料や日大病院の医療収入などで2,800億円と日本一だ。早稲田大学の実に2倍。2,800億円の中には文部科学省からの補助金が150億円も含まれているが、補助金の額もダントツの日本一だ。
この巨額な資金を「株式会社日本大学事業部」などを使い、一手に握る田中氏の権力は想像する以上に巨大であり絶対的だ。大学内だけでなく清水建設や損保ジャパンの役員らがせっせと接待に励むのも仕方ない。
しかし、今回の騒動で異変が起きている。元常務理事から連絡があり「側近のはずの常務理事連中がマイナス情報をマスコミに流している」と怒っていた。田中氏の頑強な地盤が緩んで来ている証拠だ。
今回の騒動は日本大学を真っ当な大学にする良い切っ掛けだ。文部科学省やスポーツ庁は他人事のように日本大学を批判しているが文部科学省には大きな責任が有る。当時、文部科学省大臣や高等教育局長は、田中氏の不正をきちんと調査すると公表していたにも係わらず、本人を呼び付ける事もせずに不十分な調査のままで終わらせた。それ以降、長い間、日本大学のガバナンスやコンプライアンスから目をそむけて来た。その責任は大きい。文部科学省は今期の補助金150億円のカットを行うべきだ。
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