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ウエルシア関東 寺島薬局吸収、持ち株会社のトップ交代でも消せない疑惑

インサイダー取引・株価操縦疑惑が持たれるウエルシア関東と寺島薬局に新しい動きがあった。その一つは、ウエルシア関東が31日、寺島薬局のドラッグストア事業を吸収し、寺島薬局は介護事業のみを運営することになったこと。疑惑自体を消し去ることはできないが、当事者の一方が事実上消滅したことで疑惑解明に影響を与えそうだ。

 『集中』は20121210日にホームページ上に、「証取に突き付けられた寺島薬局『インサイダー株主リスト』」の記事を掲載した。その直後の同14日、両社をグループ企業に持つ、イオングループのウエルシアホールディングス(HD)はホームページ上に「グループ内組織再編(当社子会社の合併)に関するお知らせ」を突如掲載。同社は同日の取締役会で、100%子会社であるウエルシア関東が、同社の子会社である寺島薬局を吸収合併することを決議したという。

さらに、『集中』は今年14日に「ウエルシア関東 寺島薬局合併でインサイダー『隠蔽』危機」の記事を掲載した。すると、ウエルシアHDは同11日、「グループ内組織再編に関するお知らせ(変更)」を掲載。寺島薬局は介護事業に特化して事業を継続するとし、まるで隠蔽との指摘を回避するかのような策を打ってきた。

もう一つの動きは、215日付で行われたウエルシアHDトップの交代である。売り手側である寺島薬局元オーナーの寺島孝雄氏とともに、疑惑の一方の主役だった買い手側のウエルシア関東元会長でウエルシアHD会長の鈴木隆之氏が代表権のない名誉会長に退き、ウエルシア関東会長でウエルシアHD社長の池野隆光氏が代表権のある会長に就任。また、池野氏に代わって社長には、副社長で寺島薬局社長の水野秀晴氏が就いたのだ。

疑惑に関連しては、寺島薬局の子会社化直後に解任された元社長と副社長が20091月、同社を相手取って不当解任による損害賠償請求をさいたま地方裁判所に起こしている。114月の裁判で、当時、ウエルシアHD副社長兼ウエルシア関東社長だった池野氏が証言に立ったが、デューデリジェンスやTOBについて「私は直接関係ありません」「知りません」と発言。

当初予定されていたMBO(経営陣買収)案では買い取り価格の最大限度額は11400円だったが、それを大幅に上回る1976円のTOB(株式公開買い付け)価格の決め方についても「私は決めておりませんので分かりません」。ついには「別な人でも呼んでくれませんか」と発言する始末。法廷にいた関係者をあきれさせた。

 池野氏はTOB実施当時、グローウェルHD取締役でウエルシア関東副社長、TOB完了後の0812月には社長含みで寺島薬局顧問に就き、翌091月に社長になった人物。「知らなかった」という発言は、取締役として重大な善管注意義務違反を犯したことを明らかにしたようなものだった。

 しかし、池野氏は責任ある立場にいながら疑惑について本当に知らなかったのだろうか。「寺島氏と鈴木氏の密談で全てを決めたもので、池野氏は実態を全く知らなかったはずだ。池野氏は寺島氏や鈴木氏のように陰で裏技を使うタイプではなく、実直、真面目である」と当時の事情を知る人物は打ち明ける。

さらに、こう続ける。「池野氏はTOB、インサイダーに関して何も知らされず後始末をしなければならない犠牲者とも言える。もちろん、口封じ目的で解任された元役員らによる民事裁判の背景についても、何も知らないのが実態ではないか。巨万の株式売却益を得た寺島氏、それに追従した一部の寺島薬局社員が言うがまま、ここまで来てしまったことを自ら反省し、終結を図っているのではないか」。

企業ぐるみとも言えるインサイダー疑惑、寺島氏の株価操縦疑惑がウエルシアと池野氏の信用を傷付けた。自身も巻き込まれるリスクを認識し始めたのか、それが先のトップ交代に関係してくる。「現在進行中の民事裁判を通じ、事の重大性に気付いた池野氏が、重篤な病気にかかっているといわれる鈴木氏を退かせ、裁判対策を直接差配するための交代だったのではないか」と業界関係者は推測する。

 寺島薬局の吸収分割、ウエルシアHDのトップ交代、和解拒否による民事裁判の引き延ばし、民事裁判を起こした元役員の関係先に対する誹謗中傷の吹聴──。さまざまな手を打ってきているが、インサイダー取引・株価操縦疑惑は消えない。

ましてや、民事裁判で元役員から出されたインサイダー疑惑の証拠はさいたま地裁で採用されている。ここで問われているのは、既に『集中』の記事で述べているように、日本の証券市場の法統治、企業コンプラインス(法令順守)の象徴的問題である。また、この具体的な金融市場犯罪を承知していながら、摘発していない証券取引等監視委員会や東京地検特捜部の有り様はグローバル市場での経済成長を目指す安倍晋三政権の政策と逆行するものとも、捜査当局そのものが違法行為に加担、幇助しているとも言える。証券市場の健全化を内外に示す好機として、時期を逸しオリンパス事件のようにならないことを望む。

2013年3月18日 18:55 | イオン・ウエルシアHD・ウエルシア関東・事件・寺島薬局・社会・経済

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