厚労省内で「ワンコイン」と呼ばれる「受診時定額負担」への懸念
社会保障と税の一体改革成案に盛り込まれた受診時定額負担制度の導入について、医療界や政界から批判が噴出している。中央社会保険医療協議会(中医協)では7月の総会で、各委員から否定的な意見が続出した。「一度導入されれば際限のない負担増につながりかねない」などと日本医師会や日本歯科医師会、東京歯科保険医協会などが反対を表明。また、民主党の「適切な医療費を考える議員連盟」の総会でも、「国民皆保険制度の根幹を揺るがしかねない」などと多くの議員から反対意見が相次いだ。
同制度は、「高額療養費」の自己負担限度額の見直しに必要な財源を確保するため、初・再診時の窓口での支払いに100円を上乗せする仕組み。厚生労働省の試算では1300億円程度が見込まれている。
「際限のない負担増」は医療界の杞憂ではないようだ。ある医療関係者はこう話す。「厚労省内では、受診時定額負担とはいわず、まるで酎ハイでも注文するときのように『あのワンコイン』などと呼び合っています」。俗称が「ワンコイン」ということは、100円を容認すると、次は500円が待っているという暗号符牒にも聞こえる。
そもそも、東京歯科保険医協会が指摘しているように、2002年の健康保険法改定時に、保険給付は「将来にわたり100分の70を維持する」としており、受診時定額負担は事実上、これを反故にするものだ。
高額療養費制度の見直しは、なぜ受診時定額負担とセットなのか。大きな政策転換となるだけに、政府は医療界の意見に十分に耳を傾けるべきだ。
2011年8月26日 09:52 | 中医協・医師会・医療・医療政策・厚生労働省・政治・歯科・病院


