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診療・介護報酬「改定見送り」論議で医療界が大揺れ

 2012年度の診療報酬・介護報酬の同時改定をめぐり、医療界が揺れている。発端は、日本医師会(日医)の執行部が4月24日の代議員会で、同時改定を見送るべきとの考えを表明したこと。東日本大震災の被災地の医療再生を優先させるべきとの理由だ。
 これに対して、四病院団体協議会(四病協)は構成団体によって意見が分かれた。日本病院会(日病)、全日本病院協会(全日病)、日本医療法人協会(医法協)、日本精神科病院協会(日精協)のうち、日本病院会は「実施」、日精協は「見送り」の方針を出した。このため、四病協は同27日の総合部会で、同時改定の見送りの是非については、四病協として意見集約しないことを決めた。
 議論は各病院団体だけでなく、実際、診療報酬の改定を審議する中央社会保険医療協議会(中医協)にも舞台を移した。5月18日に開かれた中医協総会では、鈴木邦彦委員(日医常任理事)が日医の方針を示し、改定の基礎資料となる医療経済実態調査の中止を求めたが、同じ診療側委員からは難色を示す意見が相次いだ。
 日医の動きは素早かった。原中勝征会長は同19日、細川律夫・厚生労働大臣と会談し、同時改定の見送りなどを要請した。これに対し、細川厚労相は「支払い側の考えもあるので、すぐには回答できない」と述べるにとどめた。
 医系の国会議員も参戦し始めた。全国自治体病院協議会(全自病)は同25日の定時総会で「実施」の立場を表明した。総会のあいさつで、前厚労政務官の足立信也・民主党参議院議員は「今こそ将来を見据え、未曾有の災害に立ち迎えるような改定、方針を決めるべきではないか」との考えを示した。また、梅村聡・民主党参議院議員は「震災を機に充実を目指していかなければならない」と述べた。
 前回の10年度診療報酬改定は10年ぶりの引き上げとなったが、総額でわずか0.19%増にとどまった。それだけに医療界では、来年度の改定ではさらなる引き上げが期待されていた。
 同時改定の議論の時間は1年近くある。政府の税と社会保障の一体改革案もまだ出ていない。いくら大震災が甚大な被害をもたらしたとはいえ、日医の「見送り」という結論は早すぎないか。被災地の復旧・復興対策と、日本の医療・介護の課題は分けて議論すべきだろう。

2011年5月30日 15:09 | 中医協・医師会・医療・医療政策・厚生労働省・政治・病院

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