調剤にポイント付与したドラッグ業界の陥穽
大手ドラッグストアチェーンが秋から、保険調剤の一部負担金にポイントを付与しているサービスが問題化している。サービスを行っているのはマツモトキヨシ、スギ薬局、グローウェルホールディングス傘下のウエルシア関東などだ。
これらの企業が加盟している日本チェーンドラッグストア協会は「付与は否定しない」という見解を発表したが、日本薬剤師会や日本保険薬局協会は「実質的な値引き行為」「地域の薬局がポイントカードで差別化され、経営が成り立たなくなる」などと反対を表明、対立している。これに対し、厚生労働省は「ポイント付与を拒む法的な根拠はない」と静観の構えだ。
しかし、ポイント付与は販促費として会計上処理されるため、値引きに相当するという。そうなると、2012年の診療報酬改定で薬価値下げの根拠となる可能性も出てくる。医療分野でのポイント付与は、目先の利益だけでは済まない要素をはらんでいるのだ。
また、ポイントカードを発行できない地域住民の掛かり付け薬局や地域密着型の中小ドラッグの存続も危うくし、地域の医療・介護の問題にも影響を及ぼしかねない。規模の拡大や値引き競争に明け暮れ、スーパーとの違いが分かりにくくなっている大手ドラッグストアは、自らの存在意義を問い直すべきだろう。
2010年12月28日 17:28 | その他・ウエルシア関東・スギ薬局・マツモトキヨシ・医療・医薬品メーカー・日本チェーンドラッグストア協会・経済・薬剤師会・グローウェルホールディングス


