TOBアドバイザー料めぐり寺島薬局が大和証券を提訴
あきれた会社は寺島薬局。イオングループのドラッグストアチェーン、グローウェルホールディングス(HD)傘下のウエルシア関東の子会社だ。
買収された寺島薬局のアドバイザーを務めたのが、大和証券エスエムビーシー(現・大和証券キャピタル・マーケッツ)で、TOB完了後、7000万円のアドバイザー料を請求したところ、ウエルシア関東からの乗り込んできた役員たちは請求を無視。さらに、昨年7月、債務不存在確認を求めて東京地方裁判所に提訴した。
TOBは巨額の資金を使い、多くの株主の利害に直結するだけにアドバイザーになる証券会社と法律事務所の手数料はかなり高額。未上場企業のTOBでは買収費用より高くついた笑えない例もあるという。
ウエルシア関東が寺島薬局(ジャスダック上場)を買収したのは2008年。90%を超えるプレミアムをつけた1株1976円という破格のTOB価格だった。TOB発表前に寺島薬局の株価は700円台から1100円に急騰。被買収側のオーナー、寺島孝雄氏やその親族、幹部、買収側のグローウエルHDの高田隆右社長やウエルシア関東の副社長、子会社、あるいは知人らしい人たちが寺島薬局株を買っていたり、買い増ししていたことが伝えられ、関係者がインサイダー取引をしていたのではないかという疑惑が持ち上がっている。
そんな疑惑騒動の渦中に明るみに出たのが、アドバイザー料の支払いを求める訴訟だ。通常、TOBでは買収する側はもちろん、買収される側も監督当局と取引所にTOBに関する届出書を提出する。中身はたいがいアドバイザーを依頼された証券会社が作り、さらに法律事務所が法的に問題ないという見解の書類を作成して提出する。ウエルシア関東によるTOB宣言に際して、寺島薬局はTOBを受けたというアドバイザーによる報告書を関東財務局とジャスダックに提出した。
「普通は1億円を超えるというが、大和証券は好意的に7000万円で応じた。ところが、TOBが完了すると、ウエルシア関東から乗り込んできた役員は寺島薬局の社長、副社長、監査役を解任して社長に就任。さらに、関係機関に提出したTOBに関する報告書があるにもかかわらず、大和証券SMBCに対して債務がないという。大和だけでなく、証券市場もあきれ返っている」(関係者)
ウエルシア関東にとってはTOBのために90億円も銀行借り入れをしたのに、さらに買収先のアドバイザー料まで払えるか、ということらしい。
「実は、アドバイザー料のうち法律事務所の費用は支払った。法律事務所がイオンの顧問弁護士の事務所だったことに気付き、イオンの耳に入ると面倒だ、と慌てて支払った」(証券会社幹部)
インサイダー疑惑を招いたりアドバイザー料の不払い裁判が起きたりしたことで、イオンはグループ企業に対するガバナンスのなさを露呈した。市場の信頼も失ったことで、今後の資金調達にも影響が及びそうだ。
2010年7月13日 18:44 | その他・イオン・ウエルシア関東・医薬品メーカー・大和証券・寺島薬局・経済・グローウェルホールディングス


