見切り発車で進む松戸市立病院移転問題
「市民が合意していない」として市立病院の移転・建て替え計画が問題化しているのが、千葉県松戸市。松戸市立病院の最寄り駅のJR常磐線・千代田線北松戸駅前周辺の電柱などには、移転に反対するポスターやステッカーなどが張り出されている。
この問題をめぐっては、移転の是非を問う住民投票条例の制定を求める市民団体が4月、川井敏久市長に対し、著名簿と条例制定の請求書を提出した。市選管が認定した有効著名数は2万8940人で、請求書に必要な有権者の50分の1(8000人)の3倍以上集まった。
同病院は1950年に開院し、67年に現在地に移転。東葛北部診療圏の中核的な病院で、第3次救命救急センターや県災害拠点病院に指定されている。老朽化の進行に伴い、移転・建て替えの検討が2001年に本格化。市議会の市立病院建設検討特別委員会で議論が続けられてきたが、川井市長は08年、現在地での建て替えではなく、JR武蔵野線東松戸駅近くの土地区画整理事業地内への移転を提案した。総事業費は約250億円。オープンは2013年春の予定だ。
松戸市議会は、2010年度病院事業会計予算案から新病院建設事業費約156億円を削除する修正案を全会一致で可決した。一方、住民投票の条例制定案は反対多数で否決した。
松戸市役所の説明では、土地購入費は約31億4600万円で、「予算のついた範囲で、設計を始め、建設予定地で地質調査のためボーリングなどの工事を進めている」(病院建設準備室担当者)という。
同市の市立病院は、松戸市立病院のほかに、市立東松戸病院がある。市は2月に東松戸病院を松戸市立病院と統合して閉鎖する方針を示した。市立病院移転後の跡地には民間病院を誘致することにしていた。しかし、市議や市民から反対の声が上がった上、誘致のめどがたたないことから、川井市長は4月、東松戸病院を市立病院移転後の跡地に移し、存続させる方針に転換した。これによって、市立病院の移転・建て替えの財源として見込んでいた跡地売却費20億円がなくなった。
市民の反対が渦巻く中で進む市立病院の移転・建て替え問題。しかも、市の方針は二転三転。財源も大きな問題となっている。病院の移転問題を最大の焦点に、市長選が6月に行われる。
2010年4月30日 21:57 | 医療・病院


